映画「予告犯」内容と感想

映画「予告犯」内容と感想




評価　★★★★★ （５／５）


２０１１年から１３年にかけて連載された
筒井哲也のコミックを実写化したサスペン
ス。


法では裁けぬ悪や罪をインターネット上で
暴露し、その対象への制裁を予告しては実
行する謎の予告犯『シンブンシ』とエリー
ト捜査官の攻防が展開する内容です。


インターネット上に、新聞紙の頭巾にＴシ
ャツの男（生田斗真）が登場する動画が投
稿されます。




彼は動画の中で、集団食中毒を起こしなが
らも誠意を見せない食品加工会社への放火
を予告するのです。


警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野
絵里香（戸田恵梨香）が操作に着手するが、
彼の予告通りに食品会社の工場に火が放た
れる。


それを契機に、予告犯（シンブンシ）によ
る予告動画の投稿とその内容の実行が繰り
返されていきます。


やがて、模倣犯が出没する程、シンブンシ
の存在は社会現象を巻き起こしていく。


シンブンシは１人ではなく４人の犯行なの
であった。






そして、４人の犯行の真の目的は意外な内
容である事が最後に分かります。


また、この映画は現在の日本が抱えている
問題を鋭く追求していると思います。


現在の日本はやり直しが出来にくい状態で
す。


何かの理由でドロップアウトした者が、再
び元のレールに戻る事が難しく、そんな人
々の苦しさをきちんと表現しています。


劇中、吉野捜査官がシンブンシに
「甘えるんじゃないわよ！」
と怒鳴ります。




これに対してシンブンシは
「あなたには分からない」
と自分の苦しい立場について言い返します。


この２人のやり取りが、特に印象的でした。


確かに、捜査官のいう事は分かります。


社会に不満を持っているからといって、世
間に迷惑をかけるのはいけない事です。


しかし、世の中にはどんなに頑張っても、
もがいてももがいても、上昇できない人間
がいるのです。


シンブンシのいう事も正しいのです。


この様に、日本の問題点を描いている点が
良かったと思い、評価は満点にしました。

映画「チャッピー」ネタバレ、内容と感想

映画「チャッピー」内容と感想




評価　★★☆☆☆　（２／５）


２０１６年の南アフリカのヨハネスブルグ
が舞台。




ディオンは、自分で考え、成長する事の出
来る人工知能を開発し、それを警察ロボッ
トに搭載する。




しかし、世界でも有数の危険地帯ヨハネス
ブルグに巣食うギャング達にチャッピーを
奪われてしまう。　


そして、チャッピーの人工知能はギャング
達に育てられ、ギャングのカップルを「パ
パ」「ママ」と慕うようになっていく。




しかし、チャッピーは人工知能の存在を危
険視するディオンのライバルの科学者ヴィ
ンセントに追いつめられていく。




また、チャッピーのバッテリー残量が減り、
人工知能が死んでしまう危機に瀕していく。




ハッキリ言って期待はずれの内容でした。


ストーリーが陳腐です。


最後は２人の人間がロボットになってしま
うという、とんでもない結末です。


また、ギャングのカップルが、最後は良い
人達で終わってしまうし・・・・。


気になったのは、ヴィンセントが開発した
ロボットが、『ロボコップ　２』に出て来る
大型のロボットそっくりだった事です。


完全にパクリではないのでしょうか？


唯一、面白いと思ったのは、ヴィンセント
役が、ヒュー・ジャックマンで、初めて彼
の悪役を見る事が出来ました。


収穫はこれくらいでしょうか。


私自身には、「時間の無駄」としか思えない
映画でした。

映画「メイズ・ランナー」ネタバレ、内容と感想

映画「メイズ・ランナー」内容と感想




評価　★★★☆☆　（３／５）


アメリカのベストセラー小説を基に、謎の
巨大迷路に放り込まれた若者達が決死の脱
出劇に挑むサスペンス。


３部構成で作られた作品の第１章です。


高い壁に囲まれた「グレード」と呼ばれる
場所には、月に１度、若い青年達がリフト
に乗せられ送り込まれてくる。




名前以外ほとんど記憶を失っている彼らは、
そこで共同生活をしていた。




新しくやって来たトーマスは、グレードを
囲む壁に興味を持つ。


それは朝になると扉が開くが、奥は迷路に
なっていて、さらにグリーバーと呼ばれる
化け物が襲って来るのだ。


選ばれた俊足のランナー達だけが迷路に侵
入し、出口を探していた。




第１作目はそれなりに面白いですね。


とりあえず、迷路を攻略し、壁で囲まれた
世界から脱出できた場面で終わっています。


第２部ではどんな展開になるのかが楽しみ
です。


ただ時々、続編で急に面白くなくなる作品
があるので、そうならない事を願うだけで
す。


最終的にストーリーがどうなるのか分から
ないために、評価は低めの『３』にしまし
た。

映画「イニシエーション・ラブ」ネタバレ、内容と感想

映画「イニシエーション・ラブ」内容と感想




評価　★★★☆☆ （３／５）


松田翔太と前田敦子の共演で、乾くるみの
小説を映画化したものです。

異色のラブストーリーで、恋愛下手の大学
生と歯科助手の出会いを描く「Side-A」、
遠距離恋愛を経て関係が終わる「Side-B」
の２部構成になっています。



１９８０年代後半の静岡が物語の場です。

友人から合コンに誘われ、乗り気ではなか
ったのだが参加する事にした大学生の鈴木
は、そこで歯科助手として働くマユと出会
います。



美しいマユに相応しい男になろうと、鈴木
は髪型や服装に気を使って自分を磨き始め
ます。

そして、２人で過ごしていたのだが、鈴木
は就職した会社で東京本社への転勤が決ま
ってしまうのです。

週末に東京と静岡を往復する遠距離恋愛を
続ける鈴木であったが、同じ職場の美弥子
と出会い、心が揺れ始めるのです。



話のコアになる事は詳しく書けませんが、
最初は鈴木（松田翔太）は酷い奴という印
象で話が進みますが、マユ（前田敦子）も
なかなかの女性だという事が最後に分かり
ます。



そして、この映画は『時間』が鍵になって
いるという事だけをネタバレとします。

また、この映画の宣伝文句は
『最後の５分全てが覆る』
『あなたは必ず２回観る』です。

確かに、「ああ、なるほど」と最後に思いま
す。

でも、２回観るまでの事はないと感じまし
た。

本当に、すぐにもう１度、確認のために観
たくなる映画は、ブルース・ウィルスの
『シックスセンス』ですね。

あれは、色々な場面を確認したくなるよう
な映画でした。

映画「フォーカス」ネタバレ、内容と感想

映画「フォーカス」内容と感想




評価　★★★★★　（５／５）


４月１日エイプリルフール用ポスター
さかなくんバージョン


あるホテルのレストランで、女詐欺師ジェス
（マーゴット・ロビー）がカモにしようとし
た男ニッキー（ウィル・スミス）。


しかし、ニッキーは３０人の熟練詐欺集団を
まとめる天才詐欺師で、ジェスの手口はお見
通しだった。


大事なのは相手のフォーカス（注意）をそら
すことというニッキーの詐欺テクニックに魅
了されたジェスはニッキーの一味に加わりた
いと考える。


また、ニッキーもジェスの可能性を見いだし
ノウハウを伝授し始める。






やがて２人は恋に落ちるのだが、恋愛は自分
の仕事の邪魔になると判断し、ニッキーは強
引にジェスと別れてしまう。


３年後、ブエノスアイレスのレーシングチー
ムに詐欺を仕掛けるニッキーの前に､ジェスが
現れるのだが・・・。




騙しのテクニックが面白く、特にスーパーボ
ールのゲーム中のギャンブルには、映画を見
ている我々観客も騙されてしまいます。


さらに、映画のラストは全く読めないストー
リー展開になっています。


また、ニッキーとジェスのロマンスも楽しめ
る内容になっています。


とにかく良くできた作品で、観る価値は大い
にあります。

映画「寄生獣 完結編」ネタバレ、内容と感想

映画「寄生獣　完結編」内容と感想




評価　★★★☆☆　（３／５）


岩明均のコミックを２部形式で実写化した
映画の後編。


右手に寄生生物ミギーを宿した少年・新一
と人類を食糧とするパラサイトのバトルで
す。




新一の暮らす東福山市で、市長の広川が率
いるパラサイトたちの強力なネットワーク
が形成されていく。


彼らの存在に気づいた人類側は、パラサイ
トの全滅を計画し、特殊部隊を編成して広
川たちの根城となっている市庁舎の急襲を
画策していた。


対決の迫る中、パラサイト最高の頭脳の持
ち主・田宮良子は人間の子供を産んだのを
機に、人類との共存を探り始める。


そして、新一とミギーがその鍵を握ると考
えるのだが・・・・





大筋は原作のコミック通りなのだが、細か
い設定はかなり変更されています。


どちらも同じように楽しめる内容であるこ
とは確かです。


しかし、コミックの中でも重要であった、
新一の変化について触れていなかったのが
残念でした。


新一は寄生生物の細胞が混じることにより、
常人では考えられない運動能力を持つので
す。


そして、田宮良子がその事を知ったために、
新一が人間とパラサイトの共存の鍵だと考
えるようになる訳なんですが、その辺につ
いて触れられていませんでした。


また、パラサイト最強の後藤と三木の関係
が分かりにくかったと思います。


コミックを読んでいる人だけが分かるよう
な感じになってしまいました。


総合的に星３つですが、十分楽しめる映画
です。

映画「龍三と七人の子分たち」ネタバレ、内容と感想

映画「龍三と七人の子分たち」内容と感想



評価　★★★★★　（５／５）


数多くの個性的な作品を世に送り出してき
た北野武監督が放つ、コメディータッチの
ヤクザ映画です。


高齢化社会や詐欺犯罪といった社会問題を
巧みに盛り込んだストーリー展開になって
います。


組を引退したものの、ヤクザの性分が消え
ないため、普通の老人として生きて行けな
い龍三（藤竜也）。




そんな毎日に苛立ちを募らせる中、彼はオ
レオレ詐欺に騙されてしまう。


人々を騙す若い連中を許すわけにはいかな
いと、龍三はかつての子分達を召集して世
直しを始めます。





北野武監督は今まで、コメディー映画をい
くつか作ってきましたが、正直言って、全
て失敗していたように思います。


どれを観ても笑えませんでした。


しかし、今回の作品は、とにかく面白い。


抱腹絶倒の作品に仕上がっています。


出演者達がそれぞれ良い味の演技をしてい
ます。


そして、老人問題などの社会的なテーマも
きちんと伝わってきます。


映画の予告


そんな訳で、大成功の映画ではないでしょ
うか。


観る価値は大いにある映画です。

映画「 バードマン あるいは（無知がもたらす予期せぬ奇跡）」ネタバレ、内容と感想

映画「 バードマン　あるいは（無知がもた
らす予期せぬ奇跡）」の内容と感想


評価　★★★☆☆ （３／５）




この映画はご存じの様に、今年のアカデミ
ー賞の作品賞を受賞した作品です。


かつてヒーロー映画『バードマン』で一世
を風靡した俳優リーガン落ちぶれた現在、
自分で脚本を手がけた舞台で再起をかけて

主人公のリーガン役がマイケルキートンで
す。


面白い事に、マイケル・キートンはかつて、
人気映画の『バットマン』で主役のバット
マン役をしていましたが、現在は落ちぶれ
て鳴かず飛ばずの状態でした。


つまり、この映画はマイケルキートンの生
活をそのまま映画にしたようなものなので
す。


『バードマン』も『バットマン』から付け
たタイトルなのでしょうね。


主人公のリーガンが精神的に追い込まれて
いく様子が独特のカメラワークで撮影され
ていて、この点は評価出来ると思います。






ただ、それ以外は「？」という感じですか
ね。


また、エンディングでリーガンがどうなっ
たのかが謎なんです。


娘が目を離した隙に、病室の窓から外に出
てしまいます。


その後どうなったのか？


娘が父を捜して窓の外を見ると微笑むので
す。


その意味が分かりません。


映画の制作者だけが分かる自己満足な終わ
り方です。


観ている方はスッキリしないままです。


こういう作り方はダメですね。


アカデミー賞の作品賞に値するのか疑問で
す。

映画「暗殺教室」ネタバレ、内容と感想

映画「暗殺教室」の内容と感想




評価　★★★★☆ （４／５）


『週間少年ジャンプ』で連載され瞬く間に
人気になったコミックを映画化したアクシ
ョンコメディーです。


地球の破壊を表明している正体不明の生物
と、その生物を暗殺する事になった生徒達
が壮絶なバトルを繰り広げます。


進学校の椚ヶ丘中学校で落ちこぼれクラス
とされる３年Ｅ組に、ある日、タコの形を
した得体の知れない生物が担任教師として
やって来ます。


生徒達から「殺せんせー」と呼ばれる謎の
生物は月を破壊し、次に地球を来年の３月
に破壊すると宣言しています。


地球が破壊されないためには殺せんせーを
暗殺しなければならないのです。


暗殺はＥ組の生徒達に依頼され、その報酬
は１００億円です。


そして、殺せんせーと生徒達の壮絶なバト
ルが繰り広げられるのですが、生徒達は少
しずつ殺せんせーに惹かれていきます。


殺せんせーの教えは生徒達のやる気を引き
出し、力を付けてくれるのです。


ストーリーは途中で終わっていて、殺せん
せーの正体と目的が分かりません。


次回へ続くという事です。


しかし、冒頭で月が破壊されますが、実際
にはこの時点で地球の重力バランスが崩れ
て、大被害を被るんですけどね。（笑）


子供店長の加藤清史郎が殺せんせーと同じ
タイプの能力を持った人間として出演して
いますし、橋本環奈がコンピューターの中
の人工知能として出演しているのが面白か
ったですね。




映画の予告編はコチラ

映画「アメリカン・スナイパー」ネタバレ、内容と感想

「アメリカン・スナイパー」内容と 感想




評価　★★★★★　（５／５）


１６０人を射殺した凄腕の狙撃手として、味方
からは『伝説』と賞賛され、敵からは『悪魔』
と恐れられた実在の人物、クリス・カイルの物
語です。




場面は、イラク戦争の過酷な現実を生きたネー
ビー・シールズの戦いを描いています。


しかし、この映画はクリス・カイルの活躍を讃
えた英雄物語ではありません。


壮絶な戦況で命のやり取りをする度に、クリス
の心に何かが打ち込まれます。


そして、愛する家族のもとにようやく帰れたか
と思うと、今度は抑えていたものが吹き出し、
精神的な爪痕が彼を蝕んでいくのです。


彼だけでなく、戦争に参加した兵士達の心の闇
にも触れる内容で、最後は悲しい終わり方をし
ます。


これは、戦争とは何かを問う映画ですね。


監督は、あの名優にして名監督のクリント・イ
ーストウッドです。


クリント・イーストウッド（右）


映画の最後のエンド・クレジットは無音で、静
かに文字が流れていくだけの作りになっていま
す。




ちなみに、予告編で流れる映像ですが、子供は
ロケット砲を捨てて逃げてしまいますので、ク
リスは子供を撃ちません。


でも、あそことは別な場面では子供も撃ちます。


この映画は是非観て欲しいですね。





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